「どうやってこの仕事を片付けようか…」
机に向かって唸りながら、次々と降ってくるタスクに追われる毎日。
一人で抱え込んで必死にこなそうとするほど、仕事は膨らみ、締め切りは迫ってきます。
そんな状況を変えるために、10xという働き方があります。その中でも特に重要な考え方が「WHO NOT HOW」です。
この考え方は、従来の「どうやってやるか(HOW)」ではなく「誰とやるか(WHO)」にフォーカスを当てる革新的なアプローチです。
なぜWHO NOT HOWが重要なのか
ハーバードビジネススクールの研究によると、効果的に人に任せることは経営者の成功にとても重要といわれています。※1
ですが、、実際にこの考え方を実践するのは簡単ではありません。
特に日本人の場合、「自分でやらなければ」という思い込みが強く、なかなか他人に任せられない傾向があります。(僕自身も気を抜いてるとこの考え方になります^^;)
例えば、こんな経験はありませんか?
「この作業は自分でやった方が早いから…」
「他の人に説明する時間がもったいない…」
「任せたらクオリティが落ちるんじゃないか…」
この思考、僕もそうだったので気持ちがよくわかります。
ですが、これらの思考をしてしまうと、頭打ちが来てしまい限界が来てしまいます。
そして、自分自身の成長を妨げてしまう可能性が高いのです。
なぜなら、自分で全てをやろうとすると新しい学びやスキルの習得ができないからです。
なので、今までのことだけしかできなくなり、成長を妨げてしまうのです。
しかも、新しいこともできません。
経営において、新しいことができないのはリスクでもあるので、
「自分でやったほうが早い」
「任せたらクオリティが落ちる」
といった考え方を少しずつ手放していくことをオススメします。
WHO NOT HOW 3つのポイント
僕も10xを実践して「WHO NOT HOW」をするために動いてきました。
その中で「WHO NOT HOW」行うにはいくつかポイントがあると思いますので、お伝えします。
ポイント1「誰か」を見つけるための具体的なアプローチ
1.オープンな姿勢での情報収集
- 業界イベントやセミナーに定期的に参加し、同業者や関連業種の人々とのネットワークを広げる
- LinkedInなどのプロフェッショナル向けSNSで積極的に情報発信し、関連分野の専門家とつながる
- 既存の人脈に紹介を依頼する際は、具体的な案件や協力内容を明確に伝える
- オンラインコミュニティやSlackチャンネルで専門分野ごとの交流を深める
- 異業種交流会に参加し、新しい視点や発想に触れる機会を作る
2.適切な関係性の構築
- 最初は小規模なプロジェクトや部分的な協力から始め、お互いの仕事スタイルを確認する
- 期待値のすり合わせを丁寧に行い、目標や期限、予算などを明確にドキュメント化する
- 定期的なミーティングを設定し、進捗状況や課題の共有を習慣化する
- 相手の専門性や強みを理解し、それを最大限活かせる環境を整える
- 報酬や対価の設定を明確にし、Win-Winの関係性を構築する
3.継続的な関係性の維持
- 週次や月次のミーティングを設定し、コミュニケーションを定期的に取る
- 相手の成長や学びにつながるフィードバックを提供する
- プロジェクト完了後も定期的な情報交換を続ける
- 新しい機会や案件があれば優先的に声をかける
- 感謝の気持ちを言葉や行動で表現する習慣をつける
ポイント2信頼される人になるための具体的な行動
1.一貫性のある行動
- 約束した期限や内容は必ず守り、変更が必要な場合は早めに相談する
- 自分の価値観や判断基準を明確にし、ブレない態度を維持する
- 言動の一致を心がけ、「言ったことは必ず実行する」姿勢を示す
- スケジュール管理を徹底し、時間に正確な人物だと認識してもらう
- 困難な状況でも冷静さを保ち、一貫した対応を心がける
2.専門性の向上
- 自分の専門分野の最新情報をキャッチアップし、常に学び続ける
- 実践での経験を体系的にまとめ、ナレッジとして蓄積する
- セミナーや研修に積極的に参加し、スキルアップを図る
- 業界の動向やトレンドをウォッチし、先見性のある提案ができるようにする
- 失敗や成功の経験を分析し、次のアクションに活かす
3.透明性の高いコミュニケーション
- 進捗状況を定期的に共有し、問題点は早めに報告する
- 失敗や間違いがあった場合は素直に認め、改善策を提示する
- 相手が知りたい情報を先回りして提供する
- 複雑な情報は図表やチャートを使って分かりやすく説明する
- メールや報告書は簡潔かつ明確な文章で作成する
4.相互理解の促進
- 相手の立場や状況を常に考慮し、適切な提案や対応を心がける
- 定期的なフィードバックを求め、改善点を積極的に取り入れる
- 相手のニーズや課題を深く理解し、最適なソリューションを提供する
- 文化や価値観の違いを理解し、柔軟な対応を心がける
- 相手の成功を自分の成功として喜べる関係性を築く
ポイント3.プライドを手放すための具体的なステップ
1.完璧主義からの解放
- 「完璧」ではなく「十分に良い」状態を定義し、それを目標にする
- 小さな失敗を許容し、学びの機会として捉える習慣をつける
- タスクの優先順位を明確にし、重要度に応じた完成度を設定する
- 他者の方法や意見を積極的に取り入れ、視野を広げる
- 「完璧を目指す時間」と「程々で良い時間」のメリハリをつける
2.権限委譲の実践
- タスクの説明や教育の時間を投資として捉える
- 相手の成長を見守り、適切なフィードバックを提供する
- 細かい部分への介入を控え、結果重視の姿勢を保つ
- 相手のやり方を尊重し、新しい方法にも柔軟に対応する
- 成功は共有し、失敗は自分の責任として受け止める
3.コントロール欲求の適切な管理
- 全体の20%の重要なポイントに注力し、80%は柔軟に対応する
- 予定変更や想定外の事態を学習機会として捉える
- 他者の意見や提案を積極的に取り入れ、視野を広げる
- チームメンバーの自主性を尊重し、微調整に留める
- 結果だけでなくプロセスの改善にも価値を見出す
たくさん書きましたが、どれか1つをやるだけでもWHO NOT HOWに近づいていくので、まずは取り組みやすいものから行うといいと思います。
今日、明日で身につくものではありません。僕もまだまだです。
小さな成功体験を積み重ねながら、やっていくと継続しやすいです。
WHO NOT HOWを実現する3つのステップ – ユニークアビリティからの実践的アプローチ
WHO NOT HOWを実現するためには、以下のステップが効果的だと僕は考えています。
1. 自己分析 – ユニークアビリティの発見と活用
ユニークアビリティも10xの考え方で
「好き」
「得意」
「人の役に立つ」
「お金を生み出す」
上記の4つの項目が当てはまることです。
この上で自己分析をすると適切な「誰か」が見つかりやすくなります。
1.好きなことの探求
- 仕事や日常で没頭できる瞬間を記録する
- 時間を忘れて取り組める活動をリストアップする
- 子供の頃から続けていることや趣味を振り返る
- エネルギーが湧いてくる活動を特定する
- 休日に自然としたくなることを書き出す
これらの活動を具体的に記録していくと、自分の「好き」の本質が見えてきます。
例えば、「人に教えることが好き」という人は、実は「相手の成長を実感できること」に喜びを感じている場合があります。
この深層の「好き」を理解することで、より効果的な活動につなげることができます。
2.得意分野の明確化
- 他人から褒められることや評価される点を集める
- 周りと比べて効率的にできる作業を特定する
- 過去の成功体験を分析する
- 自然と人から相談される分野をリストアップする
- 独学で習得してきたスキルを振り返る
得意分野は必ずしも資格や公的な評価だけではありません。
日常的な行動や他者からのフィードバックの中に、自分だけの特別な強みが隠れていることが多いのです。
これらを客観的に分析することで、自分のユニークな価値提供の可能性が見えてきます。
3.人の役に立つ要素の特定
- 過去に感謝された経験を詳細に分析する
- 自分のスキルやノウハウで解決できる問題を洗い出す
- 市場やニーズの調査を行う
- 現在の課題と自分の得意分野のマッチングを考える
- 提供できる価値の具体的な形を検討する
人の役に立つということは、単に「できること」を提供するだけではありません。
自分の「好き」と「得意」を組み合わせることで、より質の高い、持続可能な価値提供が可能になります。
4.収益化の可能性の検討
- 現在のマーケットニーズとのマッチング
- 価値提供の具体的な方法の検討
- 収益モデルの構築
- 必要な投資やリソースの算出
- 実現可能性の評価
ユニークアビリティを収益化するためには、市場のニーズと自分の提供価値をうまくマッチングさせる必要があります。
これは継続的な試行錯誤と改善のプロセスが大事です。
僕の経験上、まずはお金を生み出すことは考えずに好きで得意なことから考えると、ユニークアビリティが見つかりやすいです。
2. 関係性の構築
1.積極的なネットワーキング
- 業界イベントやセミナーへの定期的な参加
- オンラインコミュニティでの活発な交流
- SNSでの情報発信と関係構築
- 異業種交流会への参加
- 専門家とのコネクション作り
ネットワーキングは単なる名刺交換ではありません。
共通の興味や課題を持つ人々との深い対話を通じて、互いの価値観や目標を理解し合うプロセスです。
これにより、より意味のある協力関係を築くことができます。
2.相手の価値観・強みの理解
- 定期的な1on1ミーティングの実施
- 相手の業務スタイルの観察と理解
- 価値観や目標についての対話
- 強みを活かせる協力方法の模索
- 相互補完関係の構築
相手を理解することは、単に表面的な情報を集めることではありません。
その人の持つ独自の視点、経験、価値観を深く理解することで、より効果的な協力関係を築くことができます。
3.Win-Winの関係性構築
- 互いの目標の明確化
- 共通の価値創造の機会の特定
- 役割と責任の明確な定義
- 適切な報酬体系の設計
- 長期的なビジョンの共有
Win-Winの関係性は、両者が共に成長し、価値を生み出せる環境を作ることから始まります。
短期的な利益だけでなく、長期的な価値創造を見据えた関係構築が重要です。
3. 信頼関係の醸成
1.約束を必ず守る
- 期限厳守の徹底
- コミットメントの明確化
- 変更が必要な場合の早期コミュニケーション
- フォローアップの習慣化
- 期待値のマネジメント
信頼関係の基礎となるのは、約束を守る一貫性です。
これは小さな約束から大きな約束まで、全てに当てはまります。
一度失った信頼を取り戻すのは非常に困難です。
失った信頼はお金でも取り戻すことが難しいとはよくいわれてますが、その通りだと思います。
2.誠実なコミュニケーション
- オープンで透明性の高い情報共有
- 定期的な状況報告
- 問題の早期発見と共有
- 建設的なフィードバックの提供
- 相手の意見や考えの尊重
誠実なコミュニケーションは、単に正直であることだけではありません。
相手の立場を考慮し、適切なタイミングで、適切な方法で情報を共有することが重要です。
4.価値の提供を意識する
- 相手のニーズの把握と理解
- 期待以上の価値提供
- 継続的な改善提案
- 新しい機会の創出
- 相手の成長支援
価値提供は、契約上の義務を果たすだけではありません。
相手の成功に貢献し、期待以上の価値を提供することで、より深い信頼関係を築くことができます。
これらの要素は相互に関連し、補完し合っています。
自己分析で見出したユニークアビリティを基に、適切な関係性を構築し、信頼関係を醸成していくことで、WHO NOT HOWの実践がより効果的になっていきます。
新しい視点:「どうやるかの誰か」
僕は、WHO NOT HOWには「どうやるかを相談する誰か」という視点も重要だと考えています。
なぜなら、全ての課題に対して「やってくれる誰か」を見つけることは現実的ではないからです。
時には、その道のプロフェッショナルに「どうやればいいか」を相談し、そのアドバイスを基に自分で実行することも、WHO NOT HOWの実践と言えるでしょう。
これからの時代に求められる姿勢
これからの時代、一人で全てをこなすことは、ますます困難になっていきます。
テクノロジーの進化、市場の変化、そして働き方の多様化により、「誰と」という視点は、ますます重要性を増していくでしょう。
そして、それは単なる効率化だけでなく、より創造的で豊かな価値を生み出すチャンスでもあります。
あなたも今日から、目の前の課題に対して「HOW」ではなく「WHO」を考えてみませんか?
きっと、新しい可能性が見えてくるはずです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。