「またタスク溜まっちゃった…。今日中に全部終わらせないと…」
デスクの上に積み上がった仕事の山を前に、ため息をつく毎日を送っていませんか?
業務効率化というと、すぐにツールやシステムの導入を考えがちです。
確かに、生成AIなどのテクノロジーを活用することは重要な要素です。
しかし、本当の意味で業務効率を上げるには、3つの要素が必要です:
- 人間の考え方(OS)
- 仕事の仕組み化
- テクノロジーの活用
今回は、この中でも最も基本となる「人間の考え方(OS)」にフォーカスを当てます。
なぜなら、どんなに優れたツールや仕組みがあっても、それを使う人間の考え方が変わらなければ、本質的な効率化は実現できないからです。
実は、業務効率を劇的に上げるための答えは意外なところにあります。
それは発生したタスクをすぐにやるという、シンプルな習慣づけです。
一見、当たり前に思えるかもしれません。でも、この「即レス仕事術」には科学的な根拠があります。
なぜ「すぐやる」が最強の効率化なのか
アメリカの認知科学研究によると、人間の記憶は時間経過とともに急速に減衰していきます。これは「エビングハウスの忘却曲線」として知られている現象です。
学習した内容は:
- 20分後には42%が消失
- 1時間後には56%が消失
- 1日後には74%が消失
この研究結果が示すように、タスクが発生した直後が最も記憶が鮮明で、取り組みやすい状態なんです。
例えば、こんな経験ありませんか?
「あとでやろう」と思って放置していた作業。いざ取り掛かろうとしたら…
- 「えっと、これどうやるんだっけ?」
- 「この資料どこにしまったかな…」
- 「あの時の指示、細かい部分忘れちゃったな」
結局、思い出すために余計な時間を使うことになります。これってムダですよね?
タスクの肥大化を防ぐ
放置されたタスクには、もう一つ厄介な特徴があります。それは時間とともに肥大化するという性質です。
これは日常生活でもよく経験することですよね。例えば、カレーを作った後の鍋。「あとで洗おう」と思って放置してしまうと:
- カレーが鍋に焦げ付いて固まる
- スポンジでごしごし何度もこする必要がある
- 最悪の場合、金属たわしが必要になる
- 洗い終わった後の疲労感は倍増
本来なら温かいうちにサッと洗えば5分で終わる作業が、30分以上かかる大仕事に変わってしまいます。
ビジネスの場面でも全く同じことが起こります。
例えば、本来30分で終わる作業が:
- 記憶が曖昧になることによる再確認の時間
- 期限切れによる謝罪の手間
- 関係者への説明や報告の追加
などにより、気づけば1時間以上かかってしまうのです。
「すぐやる」を習慣化するための3ステップ
では、具体的にどうやって「すぐやる」を習慣化すればいいのでしょうか?
1. 2分ルールの活用
デビッド・アレンの「Getting Things Done」で提唱されている法則です。2分以内でできることは、その場でやってしまいましょう。
2分という時間は:
- 心理的なハードルが低い
- 途中で中断される可能性が少ない
- 完了の達成感が得られやすい
という特徴があります。
この考え方、僕は個人的に好きですね。
2. タスクの分解
大きなタスクは、すぐにできる小さな単位に分解します。例えば:
報告書作成なら:
- アウトライン作成(5分)
- データ収集(10分)
- グラフ作成(15分)
など
細かくすると仕事が大変そうに見えないので、心理的なハードルが下がって取り掛かりやすくなります。
3. 環境の整備
すぐ取りかかれる環境を整えることも重要です:
- デスクの整理整頓
- 必要なツールの事前準備
- 通知設定の最適化
これは意外と重要です。準備するのがめんどくさくなるとやらなくなりますからね^^;
僕は極度のめんどくさがりなので、
この点はかなり意識しています。
注意点:全てを「すぐやる」必要はない
ですが、全てのタスクを即座にこなす必要はありません。以下の場合は例外として考えましょう:
- 戦略的な判断が必要な重要案件
- チームとの協議が必要な事項
- クリエイティブな発想が求められる作業
これらは、適切な時間をかけて取り組むべき事案です。
まとめ:人間のOSをアップデートする
「すぐやる」習慣は、単なる時間管理術ではありません。
それは、仕事に対する姿勢そのものを変える、人間のOSのアップデートと言えます。
- 記憶が新鮮なうちに着手
- タスクの肥大化を防止
- 余計なストレスを軽減
- 評価の向上につながる
このような好循環を生み出す「すぐやる」習慣。まずは小さなことから、今日から始めてみませんか?
そして、もし組織全体でこの習慣が根付いたら…?生産性の向上はもちろん、働く人々のストレス軽減にもつながり、より健全な職場環境が実現するはずです。
私たちの働き方を変える、その第一歩は意外にもシンプルな「すぐやる」という選択にあったのです。
最後に、この記事を読み終えたあなたへの質問です。
今、あなたの心に浮かんでいる「あとでやろう」と思っているタスクはありませんか?
それなら、この記事を読み終えた今すぐ、その小さなタスクに取り掛かってみませんか?
きっと、新しい働き方への第一歩が、そこから始まるはずです。