なぜマニュアルは”自由”を生み出すのか? 〜効率化の先にある意外な恩恵〜

僕はプロモーションや生成AIの使い方など何でもマニュアルにしたがる性格です。

そして、マニュアルを作る中でマニュアルの本当の価値に気づきました。

「マニュアルを作ると自由になれる」

と聞くと、違和感を感じる人も多いかもしれません。

むしろ、マニュアルというと

「決められたことをやらないといけない」
「融通が利かない」
「窮屈」

というイメージを持つ人の方が多いでしょう。

確かにそういった側面もあります。しかし、マニュアルは実は最高の自由をもたらすツールなのです。

2種類の自由があることを知っていますか?

自由には2種類あります。

  1. 秩序のない自由
  2. 秩序のある自由

秩序のない自由は、言葉通り何の制限もない状態です。好きなことを好きな時にできる。これも確かに自由です。

ですが、「自由にやっていいよ」と言われて困った経験はありませんか?

例えば、新入社員が上司から

「このWebサイトのデザイン、君に任せるよ。自由にやっていいから」

と言われたとします。

確かに自由です。でも、その自由さゆえに……

  • ターゲット層は誰にすればいいんだろう?
  • どんなカラーを使えばいいんだろう?
  • 文字の大きさは?
  • 画像の配置は?

あまりにも選択肢が多すぎて、何から手をつければいいのか分からず、結局まともに進められなくなります。

これと似たような状況を経験した方も多いのではないでしょうか?

例えば、

  • 「この企画は君に任せるから好きにやって」と言われて固まってしまう
  • 「資料作りは自由にやっていいよ」と言われて、フォーマットから悩んでしまう
  • 「お客様への対応は臨機応変にやって」と言われて、かえって緊張してしまう

このように、仕事において「完全な自由」は、むしろ足かせになってしまうことが多いのです。

特に経験が浅い頃は、選択肢が多すぎることでかえって判断に時間がかかり、進捗も遅くなります。

そして何より怖いのが、

「こんな風にやったけど…これで合ってるのかな…」
「もっと良いやり方があったんじゃないか…」

という不安が常につきまとうことです。この不安は、仕事の質にも影響を及ぼしかねません。

仕事に慣れている人であれば、言われなくても分かっているので、特に問題はありません。

では反対に、マニュアルがある状態でのWebデザイン制作を見てみましょう。

例えばデザインマニュアルで

  • メインビジュアルのサイズ規定
  • 文字のフォントとサイズの基準
  • コーポレートカラーの使用ルール
  • 見出しのデザインパターン
  • 画像配置の基本レイアウト

など、基本的な指標が決められているとします。

一見、これは自由な制作の邪魔をしているように見えます。

しかし、実はこちらの方がむしろクリエイティビティが刺激される可能性が高いのです。

例えば新しいページをデザインする時、基本的なレイアウトが決まっているので、フォントやサイズで悩む時間がありません。

その分、より魅力的なビジュアルを考えたり、ユーザー体験を向上させる工夫を考えることに時間を使えます。

「この決められたフレームの中で、どう工夫するか」という視点で考えた方が、むしろアイデアが湧いてきやすいです。

実際に僕もコピーライティングを始めて間もない時、型があった方がやりやすかった経験があります。

型がないと、何を考えて書いていけばいいかが分からなくて、考えるところで膨大な時間を使ってしまいます。

ですが、型があれば、この考え方で書いていけばいいと思考の方向性は分かるので、随分と書きやすくなったなと感じました。

また、興味深いことに、マニュアルがあることで、改善案が結構出てくるものです。

「冒頭はストーリーにした方がいいんじゃないか?」

「今の時代だと最初に信頼の要素を持ってきた方がいいんじゃないか?」

というように、基準があることで改善するためのアイデアが出てきやすくなります。

このように、実はマニュアルで秩序のある自由を作ることで、より創造的な仕事ができるようになるのです。

マニュアルがもたらす3つの具体的なメリット

  1. 時間の自由
  • 基本的な作業が効率化される
  • 判断に迷う時間が減る
  • 余った時間を創造的な作業に使える
  1. 精神的な自由
  • 基本的なことで悩まなくて済む
  • 失敗への不安が減る
  • 自信を持って行動できる
  1. 創造的な自由
  • 基本が分かっているから応用が利く
  • 改善点が見つけやすい
  • 新しいアイデアが生まれやすい

僕自身、マニュアルを作ることで、仕事の効率が格段に上がりました。

以前は毎回同じような作業でも「これでいいのかな?」と不安になっていました。その度に上司に確認する必要があり、それが精神的な負担にもなっていました。

しかし、マニュアルを作ってからは、基本的な作業は迷わずにできるようになりました。

その結果、より創造的な仕事に時間を使えるようになり、新しいアイデアも生まれやすくなり、業務そのものを見直すきっかけにもなっています。

そして、相反するようですが、制限された自由というのはアイデアやクリエイティビティ、イノベーションを発揮させます。

このいい例がファミコンのドラクエ1です。

ファミコンのドラクエ1は容量が64KBしかありませんでした。

この容量の中でどれだけ面白いゲームを作れるかというかなり制限された状態です。

しかも期限や国民からの期待などもあり、そのキツさは想像を絶したと思います。

でも、たった64KBというスマホで撮った写真よりも遥かに小さな容量で、国民的大ヒットとなり、今でもRPGの代表格であるドラクエ1が誕生しました。

これは制限があったからこそ、ものすごいクリエイティビティが発揮された結果だと僕は思います。

これを僕はファミコン理論と呼んでいます。

ちなみに余談で、当初は『ダースドラゴン』の名前は『ダークドラゴン』を予定したいたそうですが、容量の関係で『ダースドラゴン』になったそうです。

まとめ:マニュアルは自由への入り口

マニュアルは決して自由を縛るものではありません。むしろ、より高次の自由への入り口といえます。

基本的なことが自動化されることで、より創造的な活動に時間とエネルギーを使えるようになる。

これこそが、マニュアルがもたらす本当の価値です。

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