はじめに
・いつも忙しくて時間がない
・社員やチームメンバーが思ったように動いてくれない
・結局自分が動いた方が早い
あなたはこれらの悩みを抱えていませんでしょうか?
これらの悩みを解決するための突破口となるのがマニュアル作成です。
しかし、マニュアルを作成している企業は少ないと言われています。
色々な理由がありますが、その筆頭が作るのがめんどくさいからです。
特に、経営者や個人事業主で活躍されている方は優秀な方が多いです。
だから、
「こんなこと言わなくてもできるでしょ」
と思うことが多いのです。
自分は優秀というわけではないですが、自分でも正直、「言わなくても分かるでしょ」思うことはあります。
(こんなことも分からないのかよと思ったことも正直あります^^;)
ですが、あなたにとっての当たり前は他の方にとっては当たり前ではないことが多いです。
だからこそ、あなたの当たり前を言語化することで、それがマニュアルになります。
そして、マニュアルを作成することで、冒頭で挙げた悩みが無くなっていきます。。
この記事では、効果的なマニュアル作成の核心とも言える「当たり前」の言語化について、その重要性から具体的な方法まで、詳しくご紹介します。マニュアル作成の初心者から経験者まで、誰もが自信を持ってマニュアルを作れるようになること間違いなしです!
1. なぜ「当たり前」を言語化することが重要なのか
「当たり前」の言語化することが大切だと言いました。
一見めんどくさくて、億劫に思えるこの作業が、実は効果的なマニュアル作成の要となります。その理由をいくつか挙げます。
- 経験値の差を埋める:
あなたにとっての「当たり前」が、他の人にとってはそうでないかもしれません。
特に新入社員や未経験者にとっては、ベテランが「当たり前」と思う情報こそが貴重なのです。 - ミスの予防:
細かい指示は、思わぬミスや誤解を防ぎます。「こんなの説明しなくても…」と省略した部分が、トラブルの原因になることも少なくありません。ヒヤリハットはこのように省略したところから発生します。 - 効率アップ:
詳細な説明があれば、作業者は迷うことなく素早く作業を進められます。結果として、全体の生産性向上につながります。 - 知識の継承:
「当たり前」を文書化することで、暗黙知を形式知に変換できます。これは長期的な組織の成長に大きく貢献します。 - 法的保護:
製品マニュアルなどの場合、詳細な説明は潜在的な法的問題からの保護にもなります。
新しいものをゼロから作るのは大変です。
しかし、この作業はすでにあなたの頭にあることを言葉にするだけです。
あなたの当たり前を言語化するだけで、これだけのメリットがあると考えると、少しやってみようと思いませんか?
2. 「当たり前」を見つけ出す効果的な方法
では、具体的にどうやって「当たり前」を見つけ出せばいいのでしょうか?以下に、実践的な方法をいくつかご紹介します。
a) 第三者の目線で見直す
- 生成AIと会話をする
ChatGPTの有料プランに登録している人は最近出たAdvanced voiceで会話することができます。
スマフォでも使えるので、気軽に話しながら作業の説明をしてみるといいかもしれません。
b) 「なぜ」を5回繰り返す
- 5回の「なぜ」:
各手順に対して「なぜそうするのか」を5回問いかけます。例えば:
- なぜこの順序で作業するの? → 効率が良いから。
- なぜその順序が効率的なの? → 道具の配置に合わせているから。
- なぜその道具の配置なの? → 作業者の動線を考慮しているから。
…といった具合です。
しかし、「なぜ」という言葉は日本人に馴染みが薄い部分で人によっては責められているように感じた経験があり、あまり好まない方もいらっしゃると思います。
その場合、「なぜ」を【何で】に変えると、この方法がやりやすくなると思います。
- 深層の理由を探る:
この過程で、普段は意識していない暗黙の前提が明らかになります。これらの「なぜ」への回答が、マニュアルの重要なポイントとなります。
c) タスクを細分化する
- 極小の動作まで分解:
大きな作業を可能な限り小さなステップに分けます。「ペンを取る」「キャップを外す」など、一見些細に思える動作まで書き出してみましょう。 - 時系列で整理:
分解したタスクを時系列で並べ、抜け漏れがないか確認します。この過程で、普段無意識に行っている判断や動作が見えてくるはずです。
3. 効果的な言語化のコツ
「当たり前」を見つけ出せたら、次はそれを効果的に言語化する番です。ここでのポイントをいくつかご紹介します。
a) 具体的な言葉を使う
曖昧な表現は避け、できるだけ具体的な言葉を使いましょう。例えば:
- 「適量」→「大さじ1杯」
- 「しっかり」→「5秒間」
- 「程よい圧力」→「500g程度の力」
- 「何回かやる」→「3回行う」
- 「ChatGPTを使う」
→「ChatGPT4oを使う」
このように具体的な数値や基準を示すことで、読み手の判断に迷いがなくなります。
b) 視覚的な補助を活用する
- 図や写真の活用:
「百聞は一見にしかず」のことわざ通り、視覚的な情報は理解を大きく助けます。可能な限り、図や写真を使って説明を補完しましょう。 - 色分けやマーカー:
重要なポイントは色分けやマーカーで強調します。ただし、あまり多くの色を使うと目が疲れて逆に見にくくなりますので3色以内に収めるといいです。
c) 一貫した用語を使用する
- 統一された表現:
同じ動作や物には常に同じ言葉を使います。例えば、「押す」「プッシュする」「クリックする」など、類似の動作でも表現を統一することが大切です。 - 用語集の作成:
マニュアル内で使用する専門用語や略語の用語集を作成し、巻末や別ファイルで参照できるようにしておくと便利です。
4. 言語化の実践例
具体的なイメージを掴んでいただくために、ある作業の言語化の例を見てみましょう。
悪い例:
「コピー機で両面コピーを取る。」
良い例:
- コピー機の電源が入っていることを確認する(電源ボタンが緑色に点灯)。
- 原稿台のカバーを開ける。
- 1ページ目の原稿を、右上の矢印に合わせて裏返しにセットする。
- 原稿台のカバーをゆっくり閉じる。
- タッチパネル上の「両面コピー」ボタンを押す(画面右下、紙が折れ曲がったアイコン)。
- 「スタート」ボタン(緑色の大きなボタン)を押す。
- コピーが完了したら、原稿台のカバーを開け、原稿を取り出す。
- 2ページ目以降も同様に繰り返す。
正直、「ここまでやるのかよ」と思った方もいるんじゃないかと思います。
もちろん、作業によってはここまで言語化しなくても大丈夫な場合もあります。
ですが、この例では、初めて触る人やあまり使わない人向けに作っているので、各ステップを具体的に説明し、視覚的な手がかり(ボタンの色やアイコンの説明)も含めています。
これにより、コピー機の使用経験が少ない人でも迷わず作業を進められるようになります。
大は小を兼ねるではないですが、細かく言語化して作れると、適用できる人の範囲が増えていきます。
なので、できるだけ言語化した方が
マニュアルの再現性は高くなると言えます。
あと、大事なことはそのマニュアルを作る労力と得られるリターンが見合っているかということも考えることが大切です。
一回教えれば簡単にできるような作業をわざわざ上記の例みたいに言語化してマニュアルを作る必要はありません。
そのマニュアルを作った後のことを考えて、この作業手順が確立すると売上や時間短縮、社員のストレス軽減などに大きくつながると思ったことをマニュアルにしていきましょう。
まとめ:完璧なマニュアル作成への道
「当たり前」を言語化することは、初めは面倒に感じるかもしれません。
しかし、ここでめんどくさいを振り切って言語化することこそが、誰もが理解できる完璧なマニュアルを生み出す鍵となります。
自分も正直めんどくさがりなので、なるべくこういうことはやりたくないです。
しかし、自分が当たり前を言語化してマニュアルを作成できる大きな理由は、それをやることで自分の時間が生まれて、楽になるからという欲求と結びついているからです。
普通に当たり前のことを言語化してマニュアルを作ろうと思うと、ただめんどくさいだけですが、このように自分の欲求と結びつけられると、重い腰も上がるものです。
「これくらい分かるだろう」と思った瞬間にこそ、マニュアルを作るチャンスです。
しっかり言語化して、何度も同じ説明をしなくても済むようにしましょう。
あなたの丁寧な言語化が、チームの生産性と理解度を大きく向上させ、結果として組織全体の成長につながるはずです。
マニュアル作成は、単なる作業の説明ではありません。それは、あなたの経験と知識を他者に伝承する貴重な機会でもあります。
活きたマニュアルは、あなたの「当たり前」を丁寧に言語化することから始まります。
この記事で紹介した方法を実践し、誰もが使いやすい、そして誰もが学べるマニュアルを作り上げるきっかけになれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!